Whistle

Monday, December 19, 2011

Pediatrics 小児科受診

数日前からでしょうか。
7歳の息子に後ろから話しかけても反応が鈍いことに気づきました。

そういえば、鼻をすすっており、「喉が痛い」と言っています。
滲出性中耳炎を疑い、耳鏡で鼓膜を観察すると、やや濁り細かな泡が見られます。
愛用のWelch Allynの耳鏡

滲出性中耳炎に伴う難聴であれば、経過観察で改善することがほとんどです。
ただ、咽頭痛があり、右側の扁桃腺と頚部リンパ節が腫れているため、扁桃腺炎も心配です。
両手の手背の淡い紅斑も気になります。
熱はないのですが溶連菌の可能性もあり、そうだとすれば抗菌薬による治療が必要です。

そこで、ちょうど1週間前に保険証が自宅に届いたため、安心して小児科を受診することにしました。

朝一番にメールで私のメンターに相談したところ、Texas Children's Pediatrics Associatesの知り合いの先生か、Bootin and Savrick Pediatric Associatesを紹介されました。
たまたま、電話をかける順番が後者だったことから、Bootin and Savrick Pediatric AssociatesのDr. Gの外来を午前10時45分に予約することができました。

ちなみに初診の際の電話予約では、保険内容について事細かに聞かれますので、保険証を手元に用意しておきましょう。
具体的には
・保険会社
・プラン
・Benefit ID
・Group Number
などです。

Bootin and Savrick Pediatric Associatesは何件かBranchがあるようですが、予約したMain Centerは自宅から車で10分弱にあります。
綺麗な待合室。

あらかじめホームページにある初診患者用の書類に必要事項を記入して受診しました。
オフィスは綺麗なビルの8階にあります。
予約の5分前に到着すると、すでに多くの患者さんが待っています。

受付でPhoto ID、保険証、記入済みの問診票を提出。
私の加入している保険会社はBlue Cross Blue Shield of Texas
プランはUT selectというPPO(Preferred Provider Organizations)です。
HMO(Health Management Organizations)と大きく異なるのは、
・PCP(Primary Care Physician)を決める必要がなく、Specialistに直接受診することができる
・HMOに比べてCo-payment(自己負担額)がやや高額
なこと。
とはいっても、私のプランのCo-paymentは、Family Care 30ドル、Specialist Care 35ドル、Emergency Room 150ドル。
日本と比べるとやや割高ですが、許容範囲内ではないでしょうか。
もっぱらこれは、In-network providers(契約医療機関)を受診した際の金額。
Out-of-network providers(契約していない医療機関)を受診する際にはさらなる自己負担額が上乗せされます。

ということで、受付で先に30ドルを支払います。
待つこと約40分、ようやく担当ナースに呼ばれ、ベッドと椅子があるだけの個室に通され、簡単な問診があります。
内容は、
・受診内容
・既往歴の確認
・アレルギー歴の確認
程度。
その後、体重測定をし、先ほどの個室で担当医師を待ちます。

少し話はそれますが、私がアメリカの国家試験を受験したときのこと。
Step 2CS(Clinical Skills)といって、模擬患者さん(Simulated Patient)12人を診察し、カルテを作成する、という試験があります。
これはアメリカ国内で受験するのですが、診断以外の項目、すなわち、manner(態度)やrapport(医師-患者の信頼関係)について、SPさんが事細かに受験者を採点します。
例えば、
・医師が入室する際、ドアをノックをし、患者の返事を待ってから入室したか
・入室した医師が、自己紹介をして(名前、医師であること、何しに来たかなど)、笑顔で握手したか
・患者の話に耳を傾けて共感を示したか
・しっかりとparaphrase(言い換え)したか
・主訴をsummarize(まとめて)してフィードバックしたか
・患者を診察する前に手洗いをしたか
・患者に「Do you have any question?」と聞いたか
など。
これらの項目を頭に入れながら診察したものです。

さて、実際にアメリカで患者側になって医療機関にかかるのは初めて。
少しSPになった気分です。

待つこと数分、ドアをノックする音。
「Come on in」
と返答すると、笑顔で女医さんが入室してきます。
「I'm Dr. G, I'll take care of him today.」
と言って握手。
いい感じです。

その後丁寧に問診し、
「難聴が心配」
というと、聴力検査と耳鏡で診察。
聴力検査の結果は、30dB以下であり、明らかな難聴はないとのこと。
一安心です。
そして耳鏡の結果、ひどい滲出性中耳炎ではなさそうとのこと。
鼻炎により耳管が軽度閉塞したため、若干聞こえが悪くなっているだろう、という説明でした。
また、咽頭発赤、右扁桃腺腫脹、頚部リンパ節腫脹から、念のためRapid Strep Test(RST)を受けたところ、陽性。
熱もなく、白苔もないのですが、咽頭発赤と手背の紅斑がそれを物語っていたようです。
鼻炎は風邪(ウイルス感染症)がoverlapしていた、との見解です。

結局、Strep Throat(溶連菌咽頭炎)の診断で抗菌薬投与となりました。
抗菌薬はオーグメンチンを10日間。
投与期間は問題ないのですが、抗菌薬の選択はちょっとブロードすぎ。
ペニシリンVで十分だし、コストも安いのですが。


薬局は同じオフィスの7階にあります。
処方箋さえもらえばどこの薬局でも処方してもらえますが、近いのでそこへ行きました。
簡単な問診票に記入して、待つこと20分。
液体のオーグメンチンを受け取り、代金は35ドル。
そこそこの出費になりました。

普段からの「手洗い、うがい」、これに勝る健康法はないと改めて思うのでした。

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